ベラネクが音響監修した豊かな響きのホール
東京オペラシテイコンサートホールは,「コンサートホールを訪ねて」を構想して一番最初に興味を持ったホールでした。
それはベラネクが監修したからです。彼はムジークフェラインザールを最高の音質と評価した人ですが、そのひとが作った音のホールといえば避けて通れません.
聴きに行き,これは良い音のホールの一つだ, と思ったものの,連載の中で東京文化会館やサントリーホールと書き進めて行くうちに, このホールについてどう書いたらいいか悩んだのでした。このホールではどのような音楽をどう聞いたらいいのでしょう。
ベートーヴェンやブラームスを真剣に聞きたい東京文化会館,最近の曲やベートーヴェンなどもみんなで明るく聞きたいと思うサントリーホールなどなどとイメージが勇くのですが東京オペラシテイコンサートホールはイメージカツ勇きません.
今私の心にある東京オペラシティコンサートホールの音は,立派な構えの音, という印象です.演奏が始まってすぐに感じたのは低音の反応の良さとトウッテイーでの大迪力でした.曲の途中ではいろんな楽器力深しめました.
そして,その設立経緯から紐解き始めたのですが武満徹という人物抜きには語れないことがわかりました。もうひとつは,このホールの設計者がムジークフェラインザールの窓に注目していて,このホールにも窓をつけたのでした.これは嬉しい発見でした。では,その立派な構えの音と武満徹の心が込められたコンサートホールについて調べて行きましょう。
本記事は『ラジオ技術』2013年10月号に掲載されています。